「お盆とお施餓鬼」その3
お施餓鬼について 施餓鬼とは
[施餓鬼という言葉]
施餓鬼(せがき)とは、餓鬼道(がきどう)に堕ちて(おちて)苦しんでいる者に、施し(ほどこし)をするという意味です。
[お施餓鬼の由来]
お施餓鬼は、お釈迦様の弟子の1人、阿難尊者(あなんそんじゃ)にまつわる話に由来しています。
阿難尊者が1人修行をしているときのこと、口から炎を吐く焔口餓鬼(えんくがき)に
「おまえの寿命は3日後に尽きる。死んだ後は我々と同じ餓鬼道に堕ちるだろう。」
と言われました。恐れおののいた阿難尊者が、どうすればその運命から逃れられるかと訊くと、焔口餓鬼は
「明日中に無数の餓鬼に飲食を布施し、仏法僧の三宝を供養すれば、無数の餓鬼も救われ、その功徳でお前の寿命ものびるだろう。」
と答え、姿を消しました。困った阿難はお釈迦さまに教えを請い、施餓鬼の法によって無数の餓鬼を救い、自身も餓鬼道に堕ちず、長寿を得たということです。
[お施餓鬼の歴史]
弘法大師空海(こうぼうだいしくうかい)が、唐から日本に『救抜焔口餓鬼陀羅尼経(くばつえんくがきだらにきょう)』等を持ち帰ったことによる。
現在のような死者の追善を主眼とした施餓鬼が始まったのは、鎌倉時代の末のころといわれています。特に期日を定めて行うものではありませんが、年中行事のひとつとして、お盆とあわせて行われることが多いようです。
現在では餓鬼や亡くなった方への供養と同時に、すべての存在を供養する行事となっています。
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